診療放射線技師・臨床検査技師の夜勤と収入の関係
診療放射線技師・臨床検査技師の夜勤と収入の関係

「夜勤があると収入はどれくらい変わるのか」という疑問は、転職先を選ぶうえで具体的に知りたい方が多いと思います。
夜勤に関わる収入の根拠は、職場の規程だけで決まるわけではありません。労働基準法に定められた深夜割増賃金という法律上の確定ルールがあります。この記事ではその仕組みを出典付きで説明します。
ただし、夜勤手当の実額や宿直手当の水準は職場によって異なり、技師の職種に特化した公的統計は存在しません。「◯万円の夜勤手当が相場」という数字は、この記事では示しません。
夜勤がある職場とない職場
まず前提として、夜勤の有無は施設によって異なります。
診療放射線技師が夜勤・当直を担うのは主に以下のような施設です。
- 救急指定病院(救急対応のためのCT・レントゲン撮影が必要)
- 24時間稼働の大規模病院
一方、以下のような施設では夜勤がないケースが多くなります。
- 一般クリニック・診療所
- 検診センター
- 健診専門施設
臨床検査技師の場合も同様です。入院患者の緊急検査対応が必要な病院では当直・夜勤体制を設けているところがある一方、日勤のみで完結する施設もあります。
施設の種類別の年収データは「給料が高い職場はどこか」でまとめています。

深夜割増賃金の仕組み(法令)

夜間に働く場合、労働基準法第37条により、使用者(雇用主)は深夜割増賃金を支払う義務があります。これは法律上の強制規定です。
深夜の定義:午後10時から翌午前5時まで
この時間帯に労働した場合、通常の時給に対して25%以上の割増賃金が法律で義務づけられています。
出典:労働基準法(昭和22年法律第49号)第37条第4項。e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049)で原文を確認できます。
割増率の組み合わせ
| 勤務の状況 | 割増率(通常賃金に加算) |
|---|---|
| 深夜労働(22時〜5時)のみ | 25%以上 |
| 時間外労働(法定外残業)のみ | 25%以上 |
| 時間外労働かつ深夜(22時以降に及ぶ残業) | 50%以上 |
| 休日労働(法定休日)のみ | 35%以上 |
| 休日労働かつ深夜 | 60%以上 |
これらの割増率は法定の最低基準です。職場の就業規則でより高い率を設定することはできますが、下回ることはできません。
一般的な試算例(個人差あり・就業規則による)
仮に時給2,000円の場合、深夜時間帯(22時〜5時)に働くと1時間あたりの賃金は次のように計算できます。
- 通常時給:2,000円
- 深夜割増(25%):500円
- 合計:2,500円
あくまで一般的な試算例です。実際の時給・割増率・手当の設計は就業規則によって異なります。診療放射線技師・臨床検査技師の職種別の夜勤手当額を示す公的統計は存在しないため、職種別の実額としては示せません。
宿日直と夜勤の法的な違い

夜間対応の形態には「夜勤(交代制勤務)」と「宿日直(当直)」の2種類があり、法律上の扱いが異なります。
夜勤(交代制勤務) 通常の勤務時間として働く勤務形態です。深夜割増を含む賃金計算が適用されます。
宿日直(当直) 「軽度または短時間の業務を行うことを目的とし、通常は就寝して待機する」形態で、労働基準監督署の許可を得た場合に限り、通常の勤務時間外について宿日直手当での対応が認められています。
出典:厚生労働省「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(基発0331第1号、令和3年3月31日)
診療放射線技師・臨床検査技師が病院で夜間に対応している場合、施設によって夜勤体制と宿日直体制のどちらを採用しているかが異なります。同じ「夜間対応あり」でも、どちらの形態かによって賃金計算が変わります。
宿日直中に本来の業務(CT検査など)を行った場合は、その時間分は時間外労働として割増賃金が別途発生します。
年収への影響のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 深夜割増(法令) | 22時〜5時は通常賃金の25%以上を加算(労働基準法第37条) |
| 夜勤手当の水準 | 職場の就業規則による。技師の職種別公的統計なし |
| 宿日直と夜勤の違い | 形態によって賃金計算が異なる |
| 施設の違い | 救急病院など一部の施設のみ夜勤あり。クリニック・検診センターは通常なし |
夜勤の有無は、施設を選ぶ際の重要な条件の一つです。年収だけでなく、生活リズムや体への影響も含めて検討している方が多いと思います。
転職を検討している方へ

夜勤の有無・宿日直手当の水準・夜勤加算の条件は、求人票に記載されていることが多いです。ただし、公開求人には記載されていない条件も多く、実際の夜勤回数・手当の実額は職場に聞いてみないとわからないことがあります。
転職エージェントを通じると、担当者が条件の詳細を代わりに確認してくれるケースがあります。登録は無料で、求人情報を確認するだけの利用も可能です。
夜勤条件を含めた年収の確認は、転職の検討を始める前から情報として持っておくと判断しやすくなります。
年収を上げる手段の詳細は「年収を上げる手段の比較」でまとめています。
使用したデータ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法令 | 労働基準法(昭和22年法律第49号)第37条第4項(深夜割増賃金) |
| 法令出典 | e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049 |
| 通知 | 厚生労働省「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(基発0331第1号、令和3年3月31日) |
夜勤手当・宿日直手当の職種別平均額を示す公的統計は存在しないため、実額はこの記事では示していません。上記の試算例は一般例であり、実際の賃金は就業規則による個別の計算となります。
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